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2006-11-12

川塾 第4回 11/11~12

テーマ:「森のしくみを学ぶ」

    「山から川へ、そのつながりを知る」

in 東祖谷山村

「山登り、初めての人は?」

ぱらぱらと手を上げた子どもたちの顔を見回しながら、山の達人・市岡日出夫さんはニコニコしている。今日は、川の流れをさかのぼって、山にやってきた。ここは、徳島市内から高速道路を2時間、山道を1時間ほど車で登ったところにある太田さん家。このお隣に住んでいる(といっても、標高50mは離れている)という市岡さんを講師にむかえ、みんなで山と川のつながりをたどっていく。

ちちとまきろんが作ってくれたあんかけ焼きそばを、おいしそうにほおばっているのを見る限り、山道で車酔いした子はいなさそう。窓から見える空はくもり。雨の山歩きは大丈夫かなぁ、とちょっと心配になる。でも、水筒は満タン、おやつも持ったし、カッパと登山靴で装備は万全! クマはこわいけど、シカには出会えるといいな。よ~し、山に登るど~!

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2006_1112yoshinogawa0055 なだらかな山道を、カラフルなカッパの列が登っていく。“もののけ姫”の“こだま”が出てきそうなこけむした広場。まるで私たちを山奥へみちびくように立ち並ぶスギやヒノキ。だんだん傾斜がきつくなり、大きな岩をよじ登ったら、なんだか山登りらしくなってきたよ。

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ふと、あたりが明るくなったなぁと思い顔を上げると、赤や黄色に色づいた葉っぱが目の前いっぱいに広がっている。いつのまにかうす暗い針葉樹林をぬけ、広葉樹林の中を歩いていた。みんなの手には、いろんな形や大きさの葉っぱや木の実がにぎられていて、その名前を市岡さんに教えてもらったり、葉っぱを組み合わせてお面を作ったりしている。

あったかいココアで元気をつけた後、また頂上を目指す。でも、雨でしっとりしめった山肌はすべりやすく、きつい斜面に悪戦苦闘。みんなと離れてしまうと、木々のすき間からせまってくる白い霧に心細くなるのだった。

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2006_1112yoshinogawa0097 ←山の主

        

そうやってなんとかたどり着いた頂上。みんなの顔を見たら、なんだかホッとしてしまった。折り重なる山々の姿を見わたし深呼吸をする。ここからは山と空しか見えないけれど、きっとこの山の合間をぬうように川が流れている。地図を見てごらん。川を上にたどっていくと、だんだん細くなり、やがてなくなってしまう。川はどこから始まるんだろう・・・明日は川の始まり、その一滴を探しに行こう。

夜はいろりを囲み、東祖谷村で生まれ育った市岡さんの夜話に聞き入った。高校卒業とともに村を出ていたが、村の深刻な過疎化を知り、いてもたってもいられず13年前に帰郷したこと。きずなを深め、地域をにぎやかにしようと、村内外の有志で「活彩 祖谷村」をつくったこと(村長さんは市岡さん、いつでも誰でも村民になれるよ)。今の山でのくらしや、子どもの頃のくらし・遊びについても話してもらった。この山深い地でのくらしはきっと大変だろうと思ったけれど、「苦労どころか、毎日が楽しい」んだって。素敵だ!

今日一緒に登った山の話になる。なぜスギばかり生えている所があるのか。なぜ同じスギ林でも、木々の間がせまく薄暗い林と、間が広く明るい林があるのか。なぜ山がフカフカしているのか。山で、みんなは「なぜ」をたくさん感じた様子。市岡さんはそれに、ひとつひとつていねいに答えてくれた。

「ぼくは、スギばかりが生えている山がいいとも思わないし、広葉樹林ばかりが生えている山がいいとも思わない。いろんな木が生えている山がいいと思う。」そうやさしく語る言葉には、山への、そして祖谷村への愛があふれていた。

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↑☆違いがわかるかな?

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2006_1112yoshinogawa0154_1  対岸の山の頂が雪でうっすらと白い2日目の朝は、わいわいとお弁当作りから始まった。自分でにぎったおにぎりと卵焼きを竹の皮でつつみ、キャラメルとチョコをポケットにつめこむ。さて、川の一滴を見つけることができるかな?

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紅葉した木々の間から日の光が差しこんで、なんともきれい。今日は晴れてよかったね2006_1112yoshinogawa0172。スーザンを先頭にして、谷にそって山を登る。ザァザァと音をたてて流れていた水が、しだいにサラサラと、そしてチョロチョロという流れに変わっていく。水を手ですくって飲んでみると、ほのかに甘い。昨日あんなに雨が降ったというのににごりもせず、どろの味さえしなかった。それは、山が雨をすいこみ、きれいにこしてくれているということ。水の量も少ないことから、この山がスポンジのようにフカフカで、とても保水力があることを教えてくれている。

さらに水の音も、流れもさえも見えなくなって、もう少しで頂上だというところまで登ってきた。そこで、おそるおそる足元の土を掘ってみる。川の一滴は、本当にこんな山の中で見つける事ができるのか・・・

みんなが見守る中、それは土や葉っぱや石がまざった間からしわしわとしみ出てきて、静かに一粒になろうとするのだった。みんなの中で、山と川がつながった瞬間だった。

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2006_1112yoshinogawa0229  雨が振って、山から少しずつ流れ出した水は、しだいに川となり、海へとそそぐ。お日様が照って、海から蒸発した水は、雲になって、雨を降らす。ぐるぐるめぐりめぐって、どこが始まりだか分からないけど、くりかえす水の流れ、すべてつながっている。山は、川は、どうあるのがいいのか。私たちはどうしたらいいのか。みんなの中に何かが芽ぶいているのを、昨日出会ったあの大きなカエルがじっと見守ってくれているような気がした。

by 川塾ごはん係 おーぱ

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