水辺の教室 第2回
5月19日(土) 住吉干潟にて
テーマ「干潟で遊んで学ぶ ~干潟の生き物と役割を知ろう!~」
今回のテーマは『干潟で遊んで学ぶ ~干潟の生き物と役割を知ろう!~』 吉野川河口にある生き物の楽園、住吉干潟にみんな集まった。「干潟」って聞いたことあるけど、いったいどんなところなんだろう?
河口は川と海が出会うところ。潮の満ち引きで、潮が満ちると水かさが増し、潮が引くと水かさが減る。すると川の中から消えたり現れたりするふしぎな陸地がある。そこが「干潟」だ。
今日はとくしま自然観察の会の大久保さんが干潟の先生として来てくれた。
百聞は一見に如かず!というわけで早速干潟へ突入!子どもたちは穴から這い出てきたカニたちを捕まえるのに夢中で早くも泥んこ・・・。
コンクリート堤に近い泥地にはシオマネキやアシハラガニが住んでいる。 シオマネキは、片方のハサミだけが赤くて胴体より大きい。なんだか恥ずかしそうに袖で顔を隠しているようで、手旗信号を振っているようで、とっても愛嬌たっぷり。そんな大きな赤いハサミがあちこちの穴から次から次へと出てきて、ちょこちょこ歩き回っている姿がとってもかわいい!でも、大きなハサミを持っているのは雄だけで、雌は小さな赤いハサミを持っているんだって。 もう1つ、カニの雄と雌の見分け方も教わった。カニのおなかをひっくり返すと、おなかにはカタカナの「ハ」の字のような模様があって、その真ん中の面積が広いのと狭いのがいる。広いのが雌、狭いのが雄なんだそう。雌はそこに卵を抱えるから大きいんだって。近くにいたアシハラガニを捕まえて、ひっくり返してみんなで観察した。
そこにいるのはカニだけじゃない。 よく見ると、泥と同じ色をいたトビハゼも出てきていた。静かにしていると泥の中でじっとしているけど、ちょっと驚かすと、泥の上をまるで走るように飛び跳ねて逃げていく。ピョンピョンッ、というよりダダダダッって感じ。なかなかすばしっこい。本当にサカナ?胸ビレがまるで足みたいで、泥の上にすくっと立っているみたいで、おもしろい顔してるんだけど、本人はいたってマジメ、ってとこかな。
いったん干潟から上がり、泥んこになった足を水で洗って、住吉コープに移動した。お昼ごはんを食べて戻るころには、潮が引いて、泥んこの楽園が姿を現しているはずだ。
住吉コープでは、大久保さんに干潟のことをいろいろ教えてもらった。 カニたち生き物が住んでいる無数の穴が干潟の泥のなかにたくさん空気を送り込んでいること。 だから干潟の泥はスポンジのようにやわらかで、たくさんの生き物が生きていること。 そこに住むたくさんの微生物や有機物をカニたちや貝たちが食べること。 その小さなカニたちや貝たちを渡り鳥たちが食べにやってくること。 そして子どもたちが貝を掘りに、カニたちと遊びに、泥んこになりにやってくること。(もちろん大人も!)
干潟のいいところはそれどころじゃない! カニたちがせっせと食事をすることで干潟の泥はきれいになって、水までもきれいになるのだ。だから干潟の泥や砂はぜんぜんくさくなくって、ほのかに磯のにおいがする。
お昼ごはんのカレーをおなかいっぱい食べて、再び干潟に戻る。潮が引いて、さっきまで川の向こうの中州だったところまで陸地がつながって、広ーい干潟が姿を現した!
泥んこ覚悟でみんなで干潟探検に出発! 足が泥に埋まって靴が脱げる~うまく歩けない~~みんな早くも顔まで泥んこ。 さっきまで水の中だった干潟の奥に進むと、泥に砂が混じってくる。そこにはまた違うカニたちが住んでいる。砂と泥が混じったところには白い大きなハサミのハクセンシオマネキ、砂地にはチゴガニやコメツキガニ。同じ干潟の中でも生き物たちはそれぞれの環境にあったところに住み分けて住んでいる。 何人かの探検隊チームはハクセンシオマネキに出会えたみたい。チゴガニが集団でハサミを上に下にフリフリするダンス大会を見た探検隊も!い~な~。ヨシ原の中からは、耳を澄ますと「パッチン」とパッチンエビがハサミを鳴らす音が聞こえてくる。
干潟の奥には広ーい広ーい泥砂のグラウンドが広がっていた。 泥砂を掘り起こして生き物を探したり、泥爆弾の投げ合い合戦が始まったり。スタッフのちゃぼは子どもたちに砂風呂ならぬ泥風呂?状態に埋められている・・・。泥んこ遊びってほーんとに楽しい! スタッフのちこが大きなはまぐりを掘り当てた!厚みが3センチくらいもある!子どもたちも、我もはまぐり!とせっせと堀りまくり、スナモグリがたくさん見つかったけど、はまぐりは見つけられなかった。市場に出回っているのはほとんどが中国産のはまぐり。自然に取れるはまぐりはとてもめずらしいそう。スタッフのけんちゃんが大事に大事に持っていたが、そういえばその後そのはまぐりはどうしたんだっけ・・・?まさかけんちゃん、ひとりで・・・?!
そうこうしているうちに風が強くなってきた。吹きさらしの干潟で濡れたからだが冷え始める。急いで戻り、泥を落として、急遽立てたテントで着替えた。 今日、大久保さんに教えてもらったこと、実際に干潟で見て触ったことをみんなで振り返って日記を書いた。
今、吉野川の河口には新しい橋が建設中で、河口の景色が変わりつつある。変わるのは景色だけじゃない。川と海が出会う河口干潟は、水の流れにとても影響されやすい。橋ができることで干潟がどう変わっていくのか。 わたしたちは子どもたちに、この生き物と遊びの楽園、干潟のこと、吉野川のことを知ってもらいたいと活動しているけれど、たくさんの大人たちにも、ここで目を輝かせて、生き物に触れて、走り回っている子どもたちのことをもっともっと知ってもらいたいなぁ・・・。 by ぐみ午前中はまだ満ち潮の時間で、ヨシが根っこを水に浸して風に揺れていた。潮が少し引いて顔を出した小さな泥地には無数に小さな穴が開いていて、カニたちがちょこちょこ顔を出し始めている。
大久保さんに、大きなハサミにはさまれないように、片方の手でハサミをつまみ、もう片方の手で胴体を持つ、上手な観察方法を教えてもらった。観察してみると、目のかたちもとってもおもしろい。マッチ棒みたいに先っぽが丸くて棒のように長い目は、折りたたみ式になっていて、アンテナみたいに立ったり、パタッと横に寝かせたり。よくできてるなぁ。
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