2007年度 川塾第1回
川塾第1回 テーマ「干潟で遊んで学ぶ」「汽水域の生き物」
を開催いたしました♪(裏テーマは「旬」)
ハクセンシオマネキのオスが、大きなハサミを振りかざして堂々と歩く。その後ろを、先に赤いマニキュアをぬったようなハサミを持つメスが、ゆっくりと付いて行く。あ、恋がみのりそう・・・と思ったとたん、メスはきびすを返して巣穴に戻っていったのだった。「あ~あ、ふられちゃった~。」そんな私たちの声が聞こえたかのように、オスは気まずそうにハサミを下ろした。
その向こうでは、チゴガ二たちが小さなはさみをチョイチョイと上下に振っている。なんだか阿波踊りをしているみたい。
足元をじぃっと見ていると、このよし原を舞台に、たくさんの生き物たちの物語があちこちでくり広げられているのが分かる。川塾第1回目、初夏の日差しがまぶしい吉野川の河口干潟にて、双眼鏡を片手に、ただ今生き物観察の真っ最中。
くっちゃくっちゃの泥の中にすむ、たくさんのカニや貝、小さな微生物たち。シオマネキ、コメツキガニ、フトヘナタリ、ヒロクチカノコ、スナモグリ、アナジャコ・・・おどろく事にこの子たちは、泥にもぐりこんで川の水をきれいにしてくれているらしい。そして彼らは、遠く海をこえてやってくる渡り鳥たちのえさとなり、私たち人にはきれいな水と、そこにすむシジミやノリを与えてくれている。
「干潟は生き物にとってはゆりかご、川にとっては浄化そう、鳥にとっては国際空港、人にとっては豊かな恵みをもらえるいこいの場所」と講師の井口さんが教えてくれた。
遠くに見えるあれは、この干潟を横断する東環状大橋の橋げただ。去年みた時よりも工事が進んで、南岸にせまっている。干潟に長い間すわりこんでハマグリをとっていた漁師さんが「工事が始まってから、ますますハマグリがとれんようになった」と、かごの中を見せながらぼやいていた。この工事は、干潟にとっていい事なんだろうか。鳥たちは、貝たちは、カニたちは大丈夫かなあ・・・
さてさて、帰り道にちょいとシジミとり。波打ちぎわの泥の中を手でさぐると、すぐに見つかるアサリやシジミ、その他のいろんな貝や、変わった形のカニ。おもしろくて、もっとたくさんとりたくなって、大人もついつい夢中になってしまう。けど、小さなものは川に返してやろうね。・・・
ん? 波打ちぎわ? ここは確かに川の中だけど、潮の満ち干があって、水がしょっぱいの。水をかけ合って遊んでいたユカリたちも気づいたでしょう?
この河口から、今朝私たちがテント設営をした第十堰までは、川と海の水がまじり合う汽水域。川なのに、川の魚も海の魚もとれるところ。なんかお得な気分だけど、どんな魚がとれるやら・・・明日は釣りでもやってみますか。
子ども5人に、大人3人。夕食はまるでひとつの家族のように食卓をかこみ、さっきとってきたシジミのお汁に舌づつみ。とっぷり日も暮れて、たき火にあたりながら、昼間行った干潟でのことを思い出す。思い出しながら、つかれて寝てしまったミル。そのかたわらで、竹のぼうにこねたパンを巻いてたき火で焼くユウタ。ミキはかごいっぱいにつんできた桑の実をジャムにしている。時間がゆっくり流れていくのが心地いい。
みんなが寝静まったころ、月明かりの中をスーザンとハエナワをしかけに行く。いただいたアユをエサにして、ウナギを釣るのだ。ヘッドライトを照らした川底に、ウナギの姿を発見! 「絶対とってやる~!」と2人して意気込んでしかけ、明日の朝子どもたちとウナギを引き上げる場面を思い浮かべて、ウキウキしながら寝床についたのであった。
次の朝、むなしくもウナギはゼロ。ガーン! どうもエサが大きすぎたらしい。そして、苦労して皮をむいて作ったそら豆ごはんも、子どもたちの口に入ることはなかった。これまたガーン! どうも豆がきらいらしい。でも、めげずにウナギに挑戦するし、これからも旬の野菜をたっぷり使ったおいしいごはんを作っていくので、どうぞよろしくね。
あれま。今にも泣きそうな空を見上げていたら、とうとうこらえていた雨が降ってきた。子どもたちは昨日川に入ってない分、今日は川につかって遊びたかっただろうけど、ちょっと肌寒くてそんな気分じゃない様子。じゃあ、カッパを着て、釣りに行くとしよう。
しょぼ降る雨の中、釣り糸をたれる。ほとんどの子はしかけに悪戦苦闘、しまいにまきろんに泣きついて作ってもらっていたね。その間に、ガクシだけはもくもくとヨシノボリを3~4匹釣ぐらい釣っていたっけ。
思ったより釣りの成果はなかったけれど、釣りから帰ってきて、遊び足りないユカリたちが川へガサガサに行ったら、たくさんの魚をとってきた。ヨシノボリ、アユカケ、イドミミズハゼ、手長エビ・・・。もちろん、唐揚げにしておいしくいただきました。
2日間、川の水と海の水が出会う場所で、潮の香りのする風を感じ、そこにすむ生き物にふれた。遊んだ帰り道にはシジミや桑の実、びわの実を両手にいっぱい。子どもたちは自然の恵みをたくさんいただいて、なんだか来たときよりも元気になって帰っていった。
byおーぱ
おまけのアルバム↓
【住吉干潟】
↓貝の先生
ヒロクチカノコ研究中! ↓コメツキガニ ↓アナジャコ?
【キャンプ地:第十堰北岸】 ↓桑の実採り ←エビ取り網作成中!
↑実は睡魔に負けて夜のエビとりは中止となった・・・(笑)
【食べたもの】
↓シジミ・アサリ・ハマグリ
お吸い物に ↓桑の実ジャム ↓ビワのコンポート
「だしが出ていてうま~い」 「甘酸っぱくてパンによく合う」 「甘くておいしい旬の味」
↓おーぱ特製お昼ご飯
カラフルナポリタンと野菜スープ ↓みんなで捕った魚のからあげ
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