森の恵みがもたらすもの~後編~
~後編・穴吹川源流・剣山頂上~
朝、テントに落ちる雨の音で起こされる。寒さが気になるだろうと思っていた山でのテント泊は傾斜が気になる夜だった。ゴロゴロ転がり続けた夜!?
朝は曇り空、雨さえ降らなければ万々歳!何とかもつだろうと信じ、穴吹川源流と剣山山頂を目指す。
早朝の雨で少し濡れた道を歩きながら、今日も植物を調べつつ歩く。ブナ・ミズナラ・カエデ・シコクフウロ・ヒメフウロ・リンドウ・マムシグサ・・・昨日と同じものを何度も確認するようにスケッチブックに記入していく。山道にも少し慣れてきたのか、みんな足取りが軽い。
途中「キレンゲショウマ」の群生地を通る。夏に咲くこの植物はブナ林帯に生え、黄色い花を咲かせる。時期的に花を見る事が出来ないのが残念だけど、絶滅が心配される花がこの森で育っている事の大切さを少しでも感じてくれたら。
ようやく穴吹川源流の碑の前、祖谷川源流のように上がって行く事が出来ないのだが、とうとうと流れ出る水を早速飲んでみる。冷たくて美味しい水は、川塾8人組の喉を潤すだけでなく、森全体を潤してくれている。
時々雲間からいつも遊んでいる穴吹川
が見える。
目の前を流れる水はやがては川に行き、
また出会う。
今度川で遊ぶ時は山を見上げてみよう。
広葉樹の森から針葉樹の森へそしてミヤマクマザサが見えてくるとようやく尾根道に出る。元気だった子供達も段々と足取りが重くなるが、なんとか頂上に辿り着くことが出来た。
雲がかかっていた空も視界が開け、辺りを見渡す事が出来る。そしてはっきりと穴吹川を見る事が出来た。疲れていてそれどころではなさそうな子供たちだけど、四国の山々が暖かく迎えてくれたことに感謝したくなる気持ちでいっぱいになった。
剣山頂上ヒュッテで「あめゆ」をご馳走になり、西島キャンプ地まで下りる。
下りてようやくお昼に。時間が無い~と言いつつみんなでぺペロンチーノ!を作って食べる。
疲れを見せていた子供達だったのに・・西島からの帰り道はなぜか軽やか・・またしても走ってる。それも、スタッフを置いて。
みんな怪我もなく無事に終わった事を劒神社に報告し階段を下りた。
森の生み出す栄養はやがて川に還っていく
山で過ごし、体験したものをもって子供達もまた川に還っていく。
吉野川の自然はこうやって繋がり、保たれていく
川塾4回目はその繋がりを過ごす、大切な時間だったな実感している。
by yama
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